セクハラ

いくつものセクハラ問題が表面化し取りあげられている。

ある人は、30年前のアメリカの状況と同じ、30年遅れているという。

詰まるところ、多くの社会において、女性蔑視、女性を性の対象としてのみみて人格を軽んじるようなことは行われてきたわけだ。

何故男性優位になりやすいのか。男性中心の社会が形成されやすい理由は何か。

ヒトに近い類人猿で言えば、チンパンジーはオス中心、ボノボはメス中心の社会構造を作る。ヒトはその点ではチンパンジーと類似性があるのかも知れない。前者は極めて暴力的、後者は性愛による平和的な行動が見られる。サルの研究者曰く、チンパンジーのメスにだけは産まれたくないと言うぐらい、暴力的な扱いを受けるという。

筋力、体力において優位であるからというのは大きな要因であろうが、ボノボのメスがオスよりこれらが勝るわけではないだろう。ボノボにおいてはオスが群れに残りメスが群れを移動する父系社会であるにも関わらず、メス同士の連合によってオスの暴力に報復し、メスの優位を作るらしい。

 

ボノボのメス達は手を組んでオスの暴力に対抗する
―メス優位なボノボ社会が進化した根源を考える―
(京都大学霊長類研究所)

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/documents/160719_1/01.pdf

メスが優位になる場合、メスの血縁関係が中心となる母系社会であることが多いが、ボノボはそうでないため、非常に興味深い。

ヒトの場合、女性優位の社会を作る例があるかも知れないが少なくとも現代では極めて男性優位であるように見えるし、男性の行動には多く女性を下に見ていると思われる行動が多いという感想を持つ。セクハラ問題についてのネットでの反応には、根強い男性による女性蔑視が見て取れる。

どう考えても、女性の同意なく何かを強要することはおかしい。ましてや力関係などを背景として根本的に性別関係なく許されることではない。しかし、なぜか男性から女性に性的強要をすることについて、寛容になりやすいように見える。チンパンジーの如く、ヒトという種が進化の中でもっている傾向であるのかも知れない。

現実に、女性に比べて暴力的で性欲が強い男性という存在自体が女性にとってリスクの高い存在であることを認識する必要はあるだろう。そういうことを考えなくればいけないこと自体がおかしいと言ってみたところで、本質が変わるわけではない。

その上で女性の尊厳が守られる状況を作らねばならないのだろう。本質的に男性の多くは抵抗する存在であり続けると思われる。日本社会は明らかに遅れているので、今より状況を改善させることは可能なはずだ。

しかし、男性任せでは実現は困難だろう。ボノボではないが、女性の連合が力をつけない限り、なかなか実現は難しいのかも知れない。

 

文化と教育の地域格差

 

「底辺校」出身の田舎者が、東大に入って絶望した理由

知られざる「文化と教育の地域格差」

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55353

 

 

 

千葉の私立高校で教えるようになり、なおかつ自分の生活の中心が千葉になっている今、かなりこの記事の内容が感覚的に理解できる。そもそも千葉に住むようになった中学生時代から、身を持って実感していたことだったとも言える。
もちろん、釧路とは比較にならないほど恵まれているとは言えるのだが、構造は全く同じだ。触れられないものが多い世界というのは、触れていることがあたり前のものには理解しがたいだろう。

千葉市は東京から数十kmしか離れていないが、文化的な隔絶はすさまじいと感じる。私が住む京葉線沿線、更に私が住む幕張ベイタウンは千葉市の中ではかなり異質な地だが、少し内陸に入るともはや別世界である。文化的に隔絶され、新陳代謝が止まり、劣化し衰退するばかりの地域が目立つ。そこだけで過ごしていれば、肌で触れられるものが東京とは全く違うのだ。

東京で生まれ東京で育ち、目黒、品川、恵比寿、渋谷と中央線沿線になじみが深い自分には東京の文化圏の良好な文化アクセス性の中で多くの時間を過ごしていた自覚は乏しかった。
中学生の時に千葉市に引っ越してきて何より困ったのが図書館がないことだ。公民館の図書館分館ではあまりに蔵書が少なく偏りすぎている。そこそこの図書館は自転車で30分もかかる。その他、文化施設、ホール、講堂の類も、イベントもほとんど存在しないかあっても子供にはおいそれといけぬほど遠いところにしかなかった。
そして地元の子供たちの東京コンプレックスと偏見のすさまじさは、ここが東京とは全く隔絶された異界の地であることを如実にあらわしていた。彼らが直に触れられるものが都内を生活の場にしている者のそれとは全く違うことに当時はあまり思いが及ばなかったが、僅か数十kmがとんでもなく大きなものなのであった。

あたり前のことがあたり前でない世界と言うのは、想像することは難しい。
この記事が執筆されるきっかけになった下に引用するツイートは、あたり前のことがあたり前でなくなる経験をした身には理解できる。

今接している生徒たちの多くは、乏しい文化にしか触れないまま、接するものを選ぶ余地もないまま大人になっていくのだろう。同じ年齢であっても、育った地によって極めて大きな格差がある。それは東京とその近郊という僅かな距離の違いだけでも厳然と存在する。地方に至っては絶望的に大きいだろうと想像できる。

————-ツイート引用
家庭が貧しいと教育が受けられず貧しさが再生産されるという話、もちろん大問題だけど、同時に知ってもらいたいのは、教養のない田舎の家庭に生まれると、たとえ裕福でも教育には到達できないってこと。教育の重要性じたいが不可視だから。文化資本の格差は「気付くことさえできない」という点で深刻。
————-ここまで

amazon書評から

愛した人がBPD(=境界性パーソナリティ障害)だった場合のアドバイス―精神的にも法的にもあなたを守るために 単行本 – 2008/8/15

 この本は、BPDと別れるために役立つ本かもしれない。
 BPDに接する人へ向けられたアドバイスの書。
 その書評から引用。
ナデコシ

2012年6月18日

形式: 単行本|Amazonで購入

彼と別れて1年が経ちました。彼は境界性人格障害(BPD)の持ち主でした。一年を経てこのレビューを投稿する気持ちになりました。

恋愛の対象がもしBPD(境界性人格障害)だったら・・・。そのような方は、ぜひこの本をよく読んで客観的にご自身を見られるようにしてください。

そもそも BPDとの付き合いの悩みに対し本当に親身になって相談を聞いてアドバイスをくれる人が周りにいるでしょうか・・・。BPDの行動はあまりにも現実離れし、突飛なものだから 友人たちにはその次元を共有することは無理です。せいぜい同情程度で請け合ってもらえないですね。
BPDに悩まされるという立場になったことのある人でなければ、理解してもらえないのが現状です。

私はこの本の教示を理解しある程度それに従うことが、結果的に自分を本来の自分に戻し一般的な幸せ(普通の状態)に戻す術だったと思います。
この本に出会う前は私自身がBPDの彼に わけもわからず振り回されてきたからです。
こちらに非がなくても、うつろう彼の気分次第でいろいろなことが起こるのです。そのような行動を示唆し対処法をこの本では記述しています。

相手を、愛しているかも知れませんし信じたいかも知れません。そして、守ってあげられるのは自分しかいない、そう思うかもしれません。恋人なら当然そう思うはずですから。私もそうでした。

もし、この世に彼と私しかいなければ一緒にいると思います。でも、自分の親族や職場など今後の人生、多くの人々とまだまだかかわっていくなら・・・ そう思うと 彼と一生を共にすることは諦めるしかありませんでした。かといって彼を「愛していない」わけではないです。

皮肉なことにこの本に会わせてくれたのは、彼でした。(彼は私を助けたかったのでしょうか….)
図書館に彼が私を連れて行ったとき 偶然に手に取ったのがこの本でした。(その後 このアマゾンのサイトから購入をしました)
本の内容は、まるで彼の行動・言動の台本のようでした。BPDはすでに研究され、このように書籍となっていることに驚きましたし、BPDと向き合って悩んでいた私にとっては有難いことでした。

愛する人が境界性人格障害(BPD)だったなら。どうか自分を見失わずにこの本を携え、指針にしてみてください。

 BPDの人を支えてやっていくという選択肢に対して、離れるという選択肢も当然あるのだが、相手にとらわれてしまってなかなかそこに行き着けない人も多そうだ。
 あまりにも常識外れとしか言いようがないBPDの人とつき合う苦しさはなかなか理解してもらえない。
 そんな中で本書は一つの助けになるのかも知れない。

弁護士ドットコムの相談から

相談事例を引用。

これもかなり厳しい状況。

 

境界性人格障害の家内との離婚調停

家内とは結婚6年目ですが、普段はとてもよい関係にあるものの、些細なことで機嫌を損ねられ、何日も口を利いてくれなくなったり、実家に帰られたりしております。言い方がきついとか、そうでないというようなことでです。最近は、家内が掃除をしていて、その日はいっしょに出かける予定があったので、掃除が終わるのを待っていたのですが、一段落したように見えたので「あと、何かある?」と聞いた時、「トイレに行くって言ってんだろ!」とひどく苛ついた言い方をされたので、「そういう言い方、やめないか!」と言ったのですが、これが気に入らなかったようで、以後、口を利いてくれなくなりました。私を徹底して避けるようになり、「たった一言で、なんでそうなる?」と言っても、完全に無視するか、私をひどく非難するか、です。そのまま2週間以上になりますが、家内は離婚調停申し立てをしたようです。以前にも申し立てられたことがあり、その時は期日直前で取り下げてくれましたが、今回は取り下げてはくれないかもしれません。家内は、私が急に怒りだしたと言うでしょうし、私を避ける行為を「そういうの、やめなよ!」と言い続けたことも、「怒鳴り続けた」と言うと思います。冷静になって話をしようとすると徹底して言葉を遮られ、言いたいことをまったく言わせてもらえず、「ちょっと聞いてくれよ!」と語調を強くして言うと、これも怒鳴られたと言われます。出ていこうとするので腕を掴むと、「暴力を奮われた」と言われました。
メールでですが、精神科の先生に相談したところ、情緒不安定型境界性人格障害で間違いなさそうであり、本来は早急に治療が必要な状態ということでした。
家内とは一度も冷静な話し合いができず、話し合おうとしても言葉を遮られるか、完全に無視されるかのどちらかで、調停もやむを得ないと思っていますが、夫婦カウンセリングに通う、期間を決めていったん別居してみる、細かいルールづくりをするなどの提案はことごとく拒否され、拒否する理由さえ言わず・・・。以前には「何があっても我慢する。言葉を発するだけでなく、ムカついた表情を見せることもダメ」と無茶な要求をされましたが、元通りの仲のよい状態に早く戻りたく、しかたなく承諾しましたが、今は「約束を破った」と言われます。このような状態ですが、離婚を避けることは難しいでしょうか。
このケースでは些細なことからBPDの妻がたびたび離婚調停を申し立てるという。
・些細なことで機嫌を損ねる。
・口をきかなくなる。
・話し合いが成立しない。
・事実を曲げて被害を訴える。
・離婚調停を申し立てる。
常軌を逸しているが、BPDではありがちだ。
それでも相談者は元通りの仲のよい状態に戻りたく、離婚は避けたいのだという。
仲のよい状態がBPDが関係初期によく見せる一時的な理想像のようなものであるなら、それを恒常化することは困難かも知れない。それを追い求めても、苦しむだけかも知れない。
BPDのパートナーに問題があるケースについては、以下を参照すると良さそうだ。

境界性人格障害の被害に遭いやすい人

ここでは、自己愛性の高いパートナーがBPDのよい時を忘れられない場合の問題を指摘している。

NHK ハートネットの掲示板から

BPDは当人が生きづらい一方で、周囲の苦しみもまた激しい。

最近はネット上でBPD被害を訴えるものが目に付く一方で、BPDの家族がいかにして対応すればよいかを考える家族会も存在し、家族には救いになっているはずだ。

ただ、まだまだ周囲の人の苦しみを充分吸収できる状態ではないのかも知れない。

NHKハートネットの掲示板では、ちょっと古いが被害者の立場での番組での取りあげ方を訴えるものがあった。

BPD患者の周囲の人の事も知って欲しい
夫さん / 30代 / 夫
記事ID: 46187

私はBPDの妻を持つ夫です。
離婚を控えている身です。

こういった特集は当然ながら患者当事者の声が多く扱われるものだと思います。
ですが、その周囲に居る者の苦しみも是非知って頂きたい。

BPD患者の行動化症状は、BPDでは無い私達周囲の者にとって、とても理不尽で理解が出来ず、時には社会的影響も大きく、個人では抱えられぬ程の痛みをともないます。

虚偽によるストーカー通報などよくあるかと思います。
危うく前科が付く処であったり、社会的信用を失い、最悪の場合は裁判にまでなる方もいらっしゃいます。
私自身も妻の被害妄想により通報され連行されたことがあります。

そしてBPDは周辺の人間関係を引っ掻き回します。友人が一人、また一人と減って行きます。
言われの無い噂が広まっていたりもします。
二者関係でがちがちに固定され、気付けば逃げ場を失います。
拒絶すれば言葉や身体への暴力が待っている事もありますし、自傷行為に走られることなぞザラにあります。

そして極めつけは…例え妻が深刻なBPD患者であろうと、離婚の際は親権を持って行かれる…というシステムの危険性です。
これはもう個人ではどうにもなりません。
考えられますか。子供が犠牲になるのです。
でも私達は相談する場所が何処にも無く、行政の協力も仰げないのです。

このEテレの特集をただ「理解が得られにくく苦しくて可哀想なBPD患者」という視点だけで終わらせて欲しくはありません。
是非ともしっかりと、周辺の声も拾って下さい。

投稿日時:2015年09月01日 04時02分

https://www2.nhk.or.jp/heart-net/voice/bbs/commentlist.html/index.jsp?message=18706

深刻な問題で、BPDの相手に虚偽というか、妄想に基づいて通報されるようなことはそれなりにあるらしく、そうでなくても事実と異なることを告げられるなどで孤立させられ、社会的信用を失うようなことはよくあるようだ。

二者関係の中では暴力、暴言、自傷、自殺企図に悩まされ続ける。

理解と支援の中で症状を寛解させていくことが出来ればいいが、それもなかなか難しく、離婚の選択は当然検討される。

このケースでは離婚に伴い、父親とBPDの母親の間で親権争いが起こることが予想され、親権を母親側にとられることを危惧している。

多くの場合父親がフルタイムではたらいており育児が困難な上、休日も育児経験に乏しいため良好のな環境を提供しがたく、親権を母親に認めることが多いらしい。しかし、母親がBPDで子育てに問題があり、父親側に問題の無い環境を提供できることが示せれば、なんとかなるかもしれない。実際にはなかなか難しそうだ。

父親が親権を獲得できる条件について

「境界性人格障害 妻 離婚」の法律相談

 

国会をとりまくデモ

デモを歩道に押し込み危険な状態から、ついに柵が決壊。国会前になだれ込んだ。

デモをあえて流そうとしなかった一時と違い、メディア各社が報道。

ようやくここまで来たか感。

だが安倍内閣が総辞職したとしても、政治的にも経済構造的にも国民生活的にも、目も当てられないほどに劣化した日本が改善する見込みは低い。絶対安定多数にあぐらを掻く自公政権が終焉を迎えたとしても、日本を立て直す難業を誰が担えるだろうか。

日本はどこへ行くのか。明るい未来を想像するのは難しい。

ぶどうの木さんによる解説

奥様が高機能型BPDである、ぶどうの木さんによる高機能型BPDの説明を引用。

 

~高機能型の境界性パーソナリティ障害~

最近は、高機能型の境界性パーソナリティ障害と呼ばれるタイプも増えてきているようですが、日本では高機能型について詳しく解説している本やサイトが見あたりません。

従来型(低機能型)の場合、自傷や自殺企図といった行動が伴うのですが、高機能型と言われるタイプでは、自傷や自殺企図は見られず、反対に周囲の人へ攻撃的になるのが特徴です。妻の場合、暴力というよりも、中傷、虚言で精神的苦痛を与えたり、私を取り巻く周囲の人間関係を壊しました。

境界性パーソナリティ障害の方は、幼い頃受けた心の傷により、自分自身をダメな人間、価値のない人間だと思い込んでいます。そのような心の状況は、苦しいので家族を同じ状況に引きずりこもうとします。「あなたは最低」「冷酷」「だいっ嫌い」「嘘つき」と、自分が抱えるコンプレックスを、同居する家族に投影します。そうすることで、自分の心の安定を図ろうとします。家族は中傷(脱価値化)される事が続くと、洗脳作用が働き、家族の心にネガティブなセルフ・イメージが徐々に刷り込まれるという事が起きます。こうして、同居する家族が、言いようのない精神的苦しみを味わうことになります。また、周囲に虚言をふれ巻き、家族を取り巻く人間関係を壊し、家族を孤立させることもします。私のように、うつ病に追い込まれることも珍しくはないようです。

勤務先では普通に仕事をこなし、一見社会に適応しているように見受けられます。職業も弁護士、建築士、システムエンジニアなどのスキルの必要な仕事についている場合もあります。知能の面では問題がありません。職場での人間関係のように、一定の距離を置いた人間関係では、問題が起きにくいのですが、恋愛関係、夫婦、身の上を相談できるような接近した人間関係になると、著しい不安定さが表れてきます。

妻はこの高機能型の境界性パーソナリティ障害ではないかと思います。日本ではまだ広く知られていないようですが、関係する方々には、高機能型の境界性パーソナリティ障害についての理解を深めていただききたいところです。

https://blog.goo.ne.jp/true-vine/e/ef2300555fcd1eca1795ff7a78459c54

 

BPDと共依存

BPDは依存傾向が強い。
一方でアダルトチルドレンによく見られる共依存者は、依存させることで自己に価値を見いだしてしまう。

BPDとアダルトチルドレンの共依存者は言わば求め合う関係と言えるが、このカップリングは問題が起こりやすいと言える。

どちらも虐待を経験してきたことが多く、自尊心の低さがある。しかし、BPDは誰かに依存し、自尊心の低さから来る試し行為のなかで、感情の不安定、暴言、暴力、自傷行為が度重なりやすい。
一方共依存者は自尊心が低い故に依存されることに喜びを感じ、自己犠牲をいとわないので、この人には自分しかいないとトコトンつくしてしまう。

この二人のカップリングの結果、共依存者は生活の中心がBPDの問題解決となってしまい、どこまでもBPDの感情の暴走や試し行為による暴言、暴力を浴び続け、普通の人なら離れるような仕打ちを続けられてもそれでも離れることが出来ず、ぼろぼろになってしまう。

Wikipediaには特に問題になる共依存者との関係の中にもパーソナリティ障害があげられている。

ロマンチック蟻地獄の関係
この関係における共依存者の目的は、パートナーの欲求を実現させるために極端な自己犠牲を行うことである。共依存関係は不健康な関係であり、本人だけでは自律性や自給自足を獲得することができず、自分の充足を果たすことを最愛のパートナーに依存している[14]。無意識に自分よりも他人の人生を優先しているのは、多くの場合では自分の価値を他人に依存しているのであり、それは誤った考えである。

特に問題となるペアには、以下が挙げられる。

パーソナリティ障害者-共依存者のペア
境界性パーソナリティ障害。BPD患者の恋は自分の世話をしてくれる人への寄生である傾向があり、共依存者は自分の問題よりもBPD患者の問題解決が生活の中心となってしまう。この関係は非常に多く見られ、共依存者は「自分は正常である」「自分が責任を持つ」ことに価値を見出してしまう[15]。
自己愛性パーソナリティ障害。ナルシストへの共依存者は、コ・ナルシスト(co-narcissists)と呼ばれることもある[16]。ナルシストは、己の理想を受け入れ、理想の実現を支援する能力があり、さらに自己よりも他者の要求を優先するパートナーを求め、そして自分へ引きつけようとする[17]。ナルシストにとって共依存者は、自分に熱い視線を送り舞台を称賛する、理想的な観客・サポーターである[18]。二者は互いに引きつけ合うため、この関係から、ナルシストは自分が重要で特別な存在であるというパワーを得ることができ、共依存者は他者を援助したいという欲求を満たすことができる。
Wikipedia 共依存

自分なども自己犠牲傾向があるので、BPDの人に対してしっかり一線を引くことをしないととらわれる危険性が高い。

BPDの人が選びやすいのが、自己犠牲傾向のある、責任感が強くまじめな人間なので、そういう人は己の傾向をよく自覚した上で対処を考えなければならない。BPDの人に魅惑された上で放り出されてしまうと冷静ではいられないが、まずは一度離れて冷静になる時間をもたないとならないだろう。相手が復縁を望まないのであれば、自己犠牲による共依存傾向がある人にとってはそれはむしろ幸運であるのかも知れない。

高機能型/低機能型BPD

 BPDには高機能型と低機能型の二つがあり、その混合であることが多いそうだ。

低機能型はBPDの典型タイプ。自傷行為を行い、多くの問題行動があるもの。メンタルの問題を認め、援助を求める。

高機能型は見た目には普通の人で、メンタルの問題を認めず、援助を求めず自分の問題として取り組まない。他人のせいにし、怒りを自分の外に向ける。自傷行為などは行わない。一部の人にしか症状をあらわさない。問題は低機能型同様なのだが、問題を隠すのがうまいタイプ。

 低機能の従来型の人はセラピーを求め、高機能のタイプの人は、相手のほうがセラピーを受けるべきだと挑発します。

○低機能の従来型のBPD
典型的なBPDの人々です。

・自傷や自殺行為のような自己破壊的な行動によって、苦痛に対処する
内に向かう行動化(acting in)
・自分に問題があると認め、必死にメンタルの援助を求める
・日常的に機能するのが困難
・摂食障害や物質乱用など、重複する障害は深刻
・家族の課題は、治療を見つけること,自殺企図など危機への対処,経済的負担など

○高機能で見た目には分からないBPD

・人間関係の問題は他の人のせいである。
相手のほうがBPDだと批難する
・援助を求めない。
カウンセリングでも自分の問題に取り組まない
・外に向かって激怒したり、現実・想像の問題で家族を批難することで、苦痛に対処する
・気が強い,自信ある態度の裏に、低い自尊心を隠し持っている。
職場ではよく働き、身近な人にだけ攻撃的行動を示す
・他の精神障害がある場合は、自己愛性パーソナリティ障害のような高機能障害
・家族の課題は、言語的・感情的・身体的虐待への対処。
治療を受けるよう説得すること。
他の子供への影響。
自身と自尊心の喪失。
境界を設ける試みと失敗

 彼らは、要求を満たし、苦痛を避けるため、何重もの防衛機制を作り出します。
これは不安定なアイデンティティに繋がります。

 人前では、ボーダーの行動を見せない人を完璧に演じます。
自分をコントロールできると本当に信じているため、そのパーソナリティに従って行動するのです。
しかし人を永遠には騙せません。
もう一方のパーソナリティが刺激されると、コントロールは失われます。

*「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」ランディ・クリーガー
 〈監訳:遊佐安一郎〉(星和書店)より
http://seiwa-pb.co.jp/mt/mt-search.cgi?search=%E9%AB%98%E6%A9%9F%E8%83%BD&IncludeBlogs=3&limit=20

 

2つのタイプの比較してみると、攻撃性が強く、疾患を認めず援助も求めない、治療を受け始めてもすぐやめてしまう高機能型は本当に厄介だと言える。

○重複する特徴を持つBPD
多くのBPDの人は、低機能,高機能の両方の特徴を持っています。
配偶者や精神科医などには感情をあらわにしますが、家族以外の人には障害を持たない人として振る舞います。

oBPDを持つ個人のふたつの重複する分類
・対処技法
低機能:内に向かう行動化(acting in)
高機能:外に向かう行動化(acting out)
対人関係が拙いというより、無意識で、自分の苦痛を他者に投影して生ずる

・機能
低機能:自立した暮らし,仕事の継続などが困難
高機能:カリスマ的にさえ見えても、裏ではBPDの特徴を示している。
キャリアを積み成功していることもある

・援助を受ける意思
低機能:自傷や自殺傾向が理由で受ける。
セラピーに関心が高い
高機能:脅されるとセラピーを受けるかもしれないが、真剣に取り組んだり、長続きすることは稀

・併存するメンタルヘルスの問題
低機能:双極性障害や摂食障害など、医学的介入を必要とし、低機能の原因となる
高機能:物質使用障害,または別のパーソナリティ障害(特に自己愛性)

・家族への影響
低機能:親は極度の罪悪感を抱え、感情的に圧倒されている
高機能:家族は自分を責め、BPDの人の要求を満たそうとする。
対立点の多い離婚や親権争いが問題となる

*「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」ランディ・クリーガー
 〈監訳:遊佐安一郎〉(星和書店)より
 (引用文は翻訳がベースなせいか、あちこちに日本語的な問題があって読みづらい)
*+*
 実際には混合タイプが多いとのことで、高機能型でも自傷行為、自殺企図が多い人もいるそうだ。
 高機能型の要素が強いほど、他人に症状を見せないので気付かれにくい。ネットで「ボダ」として話題になるのは、一見普通の人でありながら、ターゲットを定め、近付いてきて被害をもたらすこのタイプだろう。
 しかし、自分が知る複数の人は高機能型であったと思われるが、言動からいずれも「メンタルが普通ではない」ことにすぐに気付いた。当時BPDについて十分な知識があればBPDであると分かったであろうと思う。ターゲットにされていない第三者の立場でも注意深く観察していれば社会生活は営めているが言動やメンタルが普通の人と違っているとわかったであろう。
 だがそれも人によって違うのかも知れない。
 家族やパートナー等にとっては高機能型でも攻撃を受ける対象であるから症状は明らかである。しかし、何とか支援をしたいわけであるが、直接攻撃を受けるだけでなく、他人には普通に見えて家族やパートナーが理解されづらく(あるいはBPDによる対人操作の結果、家族やパートナー、支援者が他人から悪印象をもたれる)治療を受けたがらない高機能型故の問題に振り回され、難しさがより大きいように見える。
 低機能型から年齢と共に寛解(症状が弱くなり、診断基準を満たさなくなる)していくと一般に言われるのだが、寛解しているように見えているだけで実は高機能型に移行している人というのがいるのではないかと個人的には気になっている。
 患者本人も含め、同じようなことを思っている人はいるようだ。
 少なくともほっておけば寛解していくものではないと海外では解説されているようだ。
 高機能型について言及しているものが日本語のものはネット上には少ないようだが、高機能型を自称される方のブログなどを見ると、参考になる部分があるだろう。

逆境から立ち上がった臨床心理士

 また、翻訳を紹介しながら高機能型について詳しく解説をしているブログもある。ここの牧師さんが翻訳されている内容は他で紹介されていない内容で、読む価値がある。

妻が境界性パーソナリティ障害を持つのではないかと思い至っています。私はその夫でクリスチャンです。