BPDの事実ねじ曲げ作戦

BPDは嘘をつき、事実をねじ曲げてしまうことがある。

 ボーダーの人の中にはノン・ボーダーの人に対して、いわれない批難をしたり、屈辱的な噂を立てたり、正当な理由もなく法的措置に訴える人がいます。
 これを、事実ねじ曲げ作戦と呼んでいます。
 お金を盗まれたとか、暴力を振るわれたとか言いふらしたり、脅迫状を捏造して法廷に持ち込む人もいます。

 しかし、多くのボーダーの人はそのようなことはしません。
精神疾患を持っていてもいなくても、間違った主張をする可能性があるでしょう。
ただ、いわれなく批難されるノン・ボーダーの人を理解する必要があります。

●事実ねじ曲げ作戦の動機

○見捨てられることと怒り
BPDが根本的に風変わりな行動を起こすわけではありません。
ボーダーの人も他の人と全く同じで、ただちょっと極端なだけなのです。

 人は誰でも喪失感や拒絶された思いを経験します。
事実ねじ曲げ作戦には、見捨てられ感や喪失,拒絶という、ボーダーの人にとって恐ろしい問題があるようです。

 愛する人に縁を切られると、自尊心を傷つけられたと感じるかもしれません。
喪失感がはっきりしない場合もあります。

 愛する人や、夢や希望を失うと、不安や悲しみ,見捨てられて孤独になる恐れなどが強烈に呼び起こされます。
それを認識するのが難しい人は、悲しみや怒りに蓋をし、相手を終わりのない論争に巻き込んで、別れを回避しようとします。
喧嘩は否定的なものとはいえ、相手との接触を保つ方法です。

 喧嘩の最中でも、彼らは仲直りできるのではないかという幻想を抱いています。
過去の喪失体験から受けた、未解決のトラウマにも反応しているかもしれません。

○アイデンティティと攻撃性
妻や母親としてのアイデンティティを失ったと感じると、空虚感,無力感,存在の無意味さ,生きていけないという思いを抱くかもしれません。

 そのため、決して屈しないという偽りの姿を身にまとい、自分の一部を失うまいと、闘うようになると考えられます。
相手にしがみついたり、喧嘩としがみつきを繰り返す場合もあるでしょう。
自分を被害者だと見なすと、事実ねじ曲げ作戦がアイデンティティになるのかもしれません。

○恥辱と批難
無能感,不全感,羞恥心,屈辱感,低い自己評価などを持つボーダーの人は、完璧さのマスクをかぶって、それを覆い隠そうとするでしょう。
極端な自己不全感のために、彼らは相手のほうが無能で無責任だと立証することで、自分への批難を免れようとするのかもしれません。

 配偶者に去られることを破滅的な攻撃だとみなすと、ボーダーの人はそれを裏切り,利己的な行為,陰謀などに見立て、妄想的な考えを膨らませるかもしれません。
裏切られた側は仕返しを企て、それに取りつかれるかもしれません。
相手が危険で攻撃的だとみなされると、不当な扱いを受けたのだから報復してもよいと考えます。
“やられる前にやれ”という、先制攻撃をしかけることもあります。

 

*「境界性パーソナリティ障害=BPD」第2版(星和書店)より

http://seiwa-pb.co.jp/bpd_family/blog/2013/06/

 

BPDの人は、見捨てられ、喪失、拒絶から自分を守るために、事実の方をねじ曲げてしまう。

自分は被害者であるとすることで、自分をそうしたつらい事実から守っているらしい。

時に事実ではないのに見捨てられなどの妄想を膨らませ、やられる前に先制攻撃を仕掛ける。

攻撃をしながらも、攻撃をすることでさろうとする相手との接触を確保しようともする。

 

●自分の危険度を調べる
事実ねじ曲げ作戦には幾つかの共通点があります。

・人に裏切られたと主張し、仕返ししようとする。
・感情的なストレスがかかったり、ノン・ボーダーの人と二人だけになると、現実との接点を失い、妄想的になる。
・被害者であるノン・ボーダーの人は、自分がボーダーの人を保護すべきと思っている。
そして自分の利益を計れなくなっている。

 ボーダーの人はスプリッティングのせいで、ノン・ボーダーの人に対してプラスの感情を思い出せないかもしれません。
ノン・ボーダーの人を極悪非道人とみなすことに、早く気付くいて、事実ねじ曲げ作戦を切り抜けましょう。

*「境界性パーソナリティ障害=BPD」第2版(星和書店)より

http://seiwa-pb.co.jp/bpd_family/blog/2013/06/

 

BPDの人は事実をねじ曲げて相手を攻撃し、自分を見捨てられや拒絶等から守ろうとしている。相手を極悪人と見なすことで攻撃をする。

そんなBPDの人と対していれば、怒りを感じ、仕返しをしたくなったりもする。しかし、そういう精神疾患なのだと理解する必要があるようだ。

そして、どう行動すべきかは、上記の引用ページに書かれているので、参照すると良さそうだ。

BPDの人と関わりを持った人はつい自分が何とかしなければならないと思い込んでしまうが、BPDの人にとらわれすぎて、自分の選択肢を見失わないことも大切なことだろう。

BPDの人が自分で自分の状況をなんとかしようと思わない限り、どんなに支援しようとしてもうまくは行かないと思われる。

つじつまの合わないBPDの言動

BPDの人は、時に辻褄の合わないことを言う。

たとえば、次の例は、離婚調停中の例だが、事実に反し、BPDの女性が自分が子供に暴力を振るっていたにもかかわらず、夫が暴力を振るっていたと主張している。

妻は調停開始から、私が妻と娘に暴力を振るっていた等の虚偽を主張しています。

妻の申立書にもそう記載されています。

私は、事実は逆で妻が私と長女に暴力を振るっていると反論しています。

録画の一部を証拠として提出しました。その他にも暴力を振るったと認める発言を録音しています。

妻は調停が始まってから、初めて私が数年にわたり妻との会話を録音していた事を知りました。

普通なら、ここで「嘘がばれると心証が悪くなるし、もう嘘をつくのは止めよう」とか「この話題には触れずにいよう」とか思うのでしょうが、妻は相変わらず主張を変えません。

https://ameblo.jp/yuichiro-papa/theme-10084960491.html

この投稿でも指摘されているが、BPDの人は妄想様観念を持ちやすい。事実関係とは別に、頭の中で妄想によって別の事実が作られてしまう。それを否定する事実を示す証拠があっても認めない。事実に合わなければ必ず問題になるのにそれをスルーする。事実より自身の思いこみの方が本人にとっては納得のいく真実なのかもしれない。

誰かに取り入るときに語る身の上話は、自分がより悲惨な目に遭ったことが誇張されたり、都合のよいように事実が脚色されたり、嘘が入ったりする。

他愛のない会話の中でも、自分の思い違いを決して認めないことがある。自分で思い違いに気付いても訂正せず、事実の方を曲げてしまったりもする。事実が相手にもすぐ確認できるようなことであっても。相手が確認してもだ。

BPDの人にとっては、事実であるかどうかよりも、自分にとっての都合のよさが優先してしまうようだ。

自分が否定され見捨てられないために、自分に一つの間違いもあってはならないと無意識に思っているらしい。

 ボーダーの人の無意識な思考過程は、次のようなものです。
「もし私に間違ったことがひとつでもあれば、私の全てが間違っている。
 皆は私を見捨てるだろう。
 だから私には間違ったところなどあってはならない。
 あるとすれば、それは誰かのせいだ」

http://seiwa-pb.co.jp/bpd_family/blog/2012/10/

 

○本当のことを言わない
BPDの人は故意に、無意識に、あるいはその中間で、嘘をつくことがあります。
中には、周到な嘘で始まり、真実として思い出されるものもあります。
嘘はストレスの中で起きることが多いようです。

 嘘は次のような役目を果たす可能性があります。
・羞恥心が強くなるとき、それを払いのけてくれる。
自分に価値がないと感じる人は、状況をよくするために、どんな嘘でもつかなくてはならないと思い込む。
(自尊心が低いために、自分で間違いを認めることができない)
・真実が知られたら、自分が拒否されるという恐れを鎮めてくれる
・劇的な雰囲気を作り、注意を引く
・本当の感情を覆い隠し、強い外見を装う

http://seiwa-pb.co.jp/bpd_family/blog/2013/12/

 

まとめ

BPDの人はたびたび嘘をつく。対人操作のために嘘をつく。妄想を事実として扱う。嘘を事実と思い込んだりもする。

問題があれば他人に転嫁する。

そうすることで自分を守ろうとしている。

 

 

 

BPD女性の一例から

一つ前の投稿で取りあげたこころタウンには多くのコメントがある。

 

その中の一例を引用する。復縁できたケースを報告しているが、別れた理由を尋ねた際の返答に注目。

彼女と最初に出会った時は、境界性パーソナリティ障害のことはなにもしりませんでしたが、自傷行為、心の揺れに散々振り回され精神科に受診させて医師からこの病名を告げられました。それからは、文献を読み漁り彼女の家族とも協力して一心不乱に治療に捧げました。しかし、経験者ならお分かりいただけると思いますがそんなに生易しくはなく、6カ月でほとほと疲れ果てギブアップしてこちらから彼女のもとを去りました。

約1年ほど前にどうしても会いたいと言われました。やはり6カ月を経過したくらいから特有の症状が出始め以前と同じような苦労することが増え始め、今回も彼女から脱価値化の烙印を押され終わりにしました。

2回の出会いと別れを経験して彼女の行動パターンは明確になったと感じています。

出会い:甘く天使が舞い降りたような振る舞い→彼氏への完璧な理想化:永遠の恋人→脱価値化の兆候:一転したこき下ろし、怒り→脱価値化完了→付き合うにあたいしない、ウザい→別れ:悪魔のような非情な別れ。本人には悪気はありません。

2目の付き合いを始めた時に、彼女に尋ねた時があります。何が気にくわなくて前回関係が悪化し終わりになったかを。彼女の答えに唖然としました。今も昔も変わらず愛してると平然と言い放ち、あなたが止めてくれていたら別れなかったと。

嘘ではないのかもしれませんが、それは事実ではありません。あの時いくら止めても結果は同じか更に悪化して悲惨な結末だったと確信しています。あの時もジンさんがいうように嫌悪感に満ちていたに違いないと思います。

 

 

BPDの人が何か理由をつけてもつじつまが合わないことが多いように見受けられる。突然の別れの理由も相手にはおぼえがなかったり、意味が通らないことがよくあるようだ。

このケースでは脱価値化した後復縁しているが、別れた理由を尋ねても説明できないどころ、愛していたと言う。なお、この相手の女性はBPDを寛解させたあとで復縁しているらしい。それでも事実関係は歪んだままだ。

BPDの人の精神は幼く、思いこみ、妄想で不安を募らせ、様々な原始的防衛機制を使って自分の幼く傷つきやすいパーソナリティを守ろうとする。彼らの言動は、彼らの内部から発する感情に突き動かされているらしく、原因が相手にないことも珍しくないらしい。見捨てられ不安、脱価値化、二極思考で相手を拒否したいという感情がわき上がり、責任を全て相手に負わせ(転嫁)、適当な理由を後付けする。その時自分にとっての理由として都合のよい部分にだけフォーカスする(原始的否認)。故意や無意識に嘘もつく。自分にとっての理由に過ぎないので、相手から見てまったく意味が分からないかもしれないが、もともと相手が悪いと転嫁しているだけなので、相手に理解してもらおうとなどしていないのだろう。結局は幼稚なその場しのぎの言い訳に過ぎない。理由など後付けに過ぎないので、つじつまのあわなさにとらわれてもおそらく無意味だろう。あとから理由を聞かれても自分の感情が変化していれば全く違うことを言っても不思議はない。真っ当な大人ならつじつまの合わないことを言うことがどれだけ大きな問題であるか理解しているが、BPDの人はそれを充分認識できないままであるらしく、それぐらい心が幼い。

自分が知る人複数名は、どちらも同年代の人と比較にならぬほど言動が幼く、物事のとらえ方も幼かった。子供が大人の皮を被り行動しているような印象だった。

 

同じ人と復縁することもあれば、次々と相手を変えることもある。遙か昔の相手に再アプローチするケースもある。

親密な人間関係を求めながら、不安がわき起こり、それを自分から破壊してしまう。そして同じことを繰り返す。

本人が自分の問題を見詰めなんとかしようと取り組まない限り、どうにもならないようだ。

 

なお、BPDといっても様々だ。症状の強さ、併発する精神疾患の有無や違いがあり、その人の傾向、生育歴によりいろいろな状態があり得る。

また、診断基準に満たずBPDと診断できなくても同様な心性を持つものは多くいるはずだ。

 

別れの先にあるもの

人間関係を構築できないのがBPD

境界性パーソナリティ障害(BPD,ボーダー)は人間関係をうまく構築できない精神障害だという。

もっとも信頼すべきはずの人にいつ見捨てられるかというおそれ(見捨てられ不安)を抱き、どこまでやったら見捨てるかと試そうとする(試し行為)。突然分かれを切り出したり、不機嫌になって人格が変わったように暴言を吐いたり、暴力を振るったり、リストカットや過剰服薬などの自傷行為を行ったりという試し行為をしエスカレートしていく。当初は相手を理想化し最高の相手だと褒めそやすが、何かのきっかけ(相手には全く心当たりなくなく、本人の被害妄想であることもしばしばあるらしい)で相手を無価値な存在、悪い存在だと見なし、こき下ろしたりして排除してしまう(理想化と脱価値化)。自分が価値のない人間として捨てられる前に、相手を自分より価値のない人間だと言うことにして自分から捨ててしまうのだという。

他人には複数の面があると言うことが理解できず、いい人か悪い人かび極端なまでに一面的にしかとらえられない(二極思考)。

更に、見捨てた(と感じた)人を攻撃するために事実でないことを周りの人間に吹き込んで人間関係を破壊したり、かまって欲しいがために特定の人に悩み、時に誇張された過去の出来事を伝えたり、などの対人操作を行う。同じ人と付いたり離れたりを繰り返す人もいるが、次々と相手を変える人の場合、前の人への攻撃と、新しい人にかまって欲しいがための相談が重なっていて、ありもしない被害を相談することもあるらしい。その結果、前の人の人間関係が破壊されることがある。

医療者などへの執着で、医療者間の人間関係にひびを入れることもあると言う。

うまくいかない原因はまさに本人の行動にあるが、それをすべて他人のせいにしてしまう。本人の心の問題からくる行動によって、根本的なところで親しくありたいはずの他人との人間関係の構築ができない。

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遺伝的素質もあると言われるが、虐待などで幼児期に見捨てられた体験や愛情を奪われるといった体験、愛情不足などが原因とされている。自立するための安心感が損なわれ、見捨てられるという思いが強く刻み込まれ、発症するという。自分を認められずに育ったために自尊心が低く、自分という存在が確固とせず、いつも空虚に感じ、不安感を抱き、抑鬱感にさいなまれているという。

人口の2%ほどと言い、重症化するのは女性が多い。女性ホルモンが影響を与えているとも言う。また、他人との愛着にかかわるホルモン、オキシトシンの分泌が悪い傾向があるとも(オキシトシンは乳汁分泌にに関わるが、オキシトシンが少ないためか母乳が出にくいこともあり得る?)。

また、前頭連合野の働きが悪いという。前頭連合野は、欲求や衝動に動かされず、理性にしたがって、五感から集まってきた情報を整理・統合し、理解して、それに基づいて様々な価値判断や意志決定をし、指令を出す司令塔である。前頭連合野は人を人たらしめている知性・心性を生み出している部分と言える。この働きの悪さによって不安や感情のコントロールがうまくいかなくなるという。更に、快不快、好き嫌いに関わる脳の扁桃体が過敏であり、そのために対人関係の不安を生み出しているという。

参考:

https://susumu-akashi.com/2013/07/bpd/

境界性パーソナリティ障害の原因

https://bpd.nerim.info/cause.html

 

脳の働きのレベルで常に人間関係に不安を抱え、感情をコントロールできないのがBPDであると言える。

不思議なことにこの精神的なはかなさ、理想化の際に見せる自己犠牲的・献身的な行動が相手に強い印象を与え、執着させることも多いらしい。そのために何をされても離れられず、付いたり離れたりする中暴言や暴力、自傷行為に悩まされ続け、心を病み、自殺することもあると言う。

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どんなに仲良くしていても、突然態度が豹変して別れを宣言したり、音信不通になることがおうおうにしてあるらしい。引用したブログエントリーとそのコメントに、リアルに語られている。愛情を傾け、確かな感情の通い合いを感じた直後に突然訳の分からないまま相手からシャットアウトされるのは、当事者には本当につらい話だ。理由がわからないだけに、まともに行動できなくなるぐらいメンタルをやられてしまう。

境界性の彼女との別れから復縁