ぶどうの木さんによる解説

奥様が高機能型BPDである、ぶどうの木さんによる高機能型BPDの説明を引用。

 

~高機能型の境界性パーソナリティ障害~

最近は、高機能型の境界性パーソナリティ障害と呼ばれるタイプも増えてきているようですが、日本では高機能型について詳しく解説している本やサイトが見あたりません。

従来型(低機能型)の場合、自傷や自殺企図といった行動が伴うのですが、高機能型と言われるタイプでは、自傷や自殺企図は見られず、反対に周囲の人へ攻撃的になるのが特徴です。妻の場合、暴力というよりも、中傷、虚言で精神的苦痛を与えたり、私を取り巻く周囲の人間関係を壊しました。

境界性パーソナリティ障害の方は、幼い頃受けた心の傷により、自分自身をダメな人間、価値のない人間だと思い込んでいます。そのような心の状況は、苦しいので家族を同じ状況に引きずりこもうとします。「あなたは最低」「冷酷」「だいっ嫌い」「嘘つき」と、自分が抱えるコンプレックスを、同居する家族に投影します。そうすることで、自分の心の安定を図ろうとします。家族は中傷(脱価値化)される事が続くと、洗脳作用が働き、家族の心にネガティブなセルフ・イメージが徐々に刷り込まれるという事が起きます。こうして、同居する家族が、言いようのない精神的苦しみを味わうことになります。また、周囲に虚言をふれ巻き、家族を取り巻く人間関係を壊し、家族を孤立させることもします。私のように、うつ病に追い込まれることも珍しくはないようです。

勤務先では普通に仕事をこなし、一見社会に適応しているように見受けられます。職業も弁護士、建築士、システムエンジニアなどのスキルの必要な仕事についている場合もあります。知能の面では問題がありません。職場での人間関係のように、一定の距離を置いた人間関係では、問題が起きにくいのですが、恋愛関係、夫婦、身の上を相談できるような接近した人間関係になると、著しい不安定さが表れてきます。

妻はこの高機能型の境界性パーソナリティ障害ではないかと思います。日本ではまだ広く知られていないようですが、関係する方々には、高機能型の境界性パーソナリティ障害についての理解を深めていただききたいところです。

https://blog.goo.ne.jp/true-vine/e/ef2300555fcd1eca1795ff7a78459c54

 

BPDと共依存

BPDは依存傾向が強い。
一方でアダルトチルドレンによく見られる共依存者は、依存させることで自己に価値を見いだしてしまう。

BPDとアダルトチルドレンの共依存者は言わば求め合う関係と言えるが、このカップリングは問題が起こりやすいと言える。

どちらも虐待を経験してきたことが多く、自尊心の低さがある。しかし、BPDは誰かに依存し、自尊心の低さから来る試し行為のなかで、感情の不安定、暴言、暴力、自傷行為が度重なりやすい。
一方共依存者は自尊心が低い故に依存されることに喜びを感じ、自己犠牲をいとわないので、この人には自分しかいないとトコトンつくしてしまう。

この二人のカップリングの結果、共依存者は生活の中心がBPDの問題解決となってしまい、どこまでもBPDの感情の暴走や試し行為による暴言、暴力を浴び続け、普通の人なら離れるような仕打ちを続けられてもそれでも離れることが出来ず、ぼろぼろになってしまう。

Wikipediaには特に問題になる共依存者との関係の中にもパーソナリティ障害があげられている。

ロマンチック蟻地獄の関係
この関係における共依存者の目的は、パートナーの欲求を実現させるために極端な自己犠牲を行うことである。共依存関係は不健康な関係であり、本人だけでは自律性や自給自足を獲得することができず、自分の充足を果たすことを最愛のパートナーに依存している[14]。無意識に自分よりも他人の人生を優先しているのは、多くの場合では自分の価値を他人に依存しているのであり、それは誤った考えである。

特に問題となるペアには、以下が挙げられる。

パーソナリティ障害者-共依存者のペア
境界性パーソナリティ障害。BPD患者の恋は自分の世話をしてくれる人への寄生である傾向があり、共依存者は自分の問題よりもBPD患者の問題解決が生活の中心となってしまう。この関係は非常に多く見られ、共依存者は「自分は正常である」「自分が責任を持つ」ことに価値を見出してしまう[15]。
自己愛性パーソナリティ障害。ナルシストへの共依存者は、コ・ナルシスト(co-narcissists)と呼ばれることもある[16]。ナルシストは、己の理想を受け入れ、理想の実現を支援する能力があり、さらに自己よりも他者の要求を優先するパートナーを求め、そして自分へ引きつけようとする[17]。ナルシストにとって共依存者は、自分に熱い視線を送り舞台を称賛する、理想的な観客・サポーターである[18]。二者は互いに引きつけ合うため、この関係から、ナルシストは自分が重要で特別な存在であるというパワーを得ることができ、共依存者は他者を援助したいという欲求を満たすことができる。
Wikipedia 共依存

自分なども自己犠牲傾向があるので、BPDの人に対してしっかり一線を引くことをしないととらわれる危険性が高い。

BPDの人が選びやすいのが、自己犠牲傾向のある、責任感が強くまじめな人間なので、そういう人は己の傾向をよく自覚した上で対処を考えなければならない。BPDの人に魅惑された上で放り出されてしまうと冷静ではいられないが、まずは一度離れて冷静になる時間をもたないとならないだろう。相手が復縁を望まないのであれば、自己犠牲による共依存傾向がある人にとってはそれはむしろ幸運であるのかも知れない。

高機能型/低機能型BPD

 BPDには高機能型と低機能型の二つがあり、その混合であることが多いそうだ。

低機能型はBPDの典型タイプ。自傷行為を行い、多くの問題行動があるもの。メンタルの問題を認め、援助を求める。

高機能型は見た目には普通の人で、メンタルの問題を認めず、援助を求めず自分の問題として取り組まない。他人のせいにし、怒りを自分の外に向ける。自傷行為などは行わない。一部の人にしか症状をあらわさない。問題は低機能型同様なのだが、問題を隠すのがうまいタイプ。

 低機能の従来型の人はセラピーを求め、高機能のタイプの人は、相手のほうがセラピーを受けるべきだと挑発します。

○低機能の従来型のBPD
典型的なBPDの人々です。

・自傷や自殺行為のような自己破壊的な行動によって、苦痛に対処する
内に向かう行動化(acting in)
・自分に問題があると認め、必死にメンタルの援助を求める
・日常的に機能するのが困難
・摂食障害や物質乱用など、重複する障害は深刻
・家族の課題は、治療を見つけること,自殺企図など危機への対処,経済的負担など

○高機能で見た目には分からないBPD

・人間関係の問題は他の人のせいである。
相手のほうがBPDだと批難する
・援助を求めない。
カウンセリングでも自分の問題に取り組まない
・外に向かって激怒したり、現実・想像の問題で家族を批難することで、苦痛に対処する
・気が強い,自信ある態度の裏に、低い自尊心を隠し持っている。
職場ではよく働き、身近な人にだけ攻撃的行動を示す
・他の精神障害がある場合は、自己愛性パーソナリティ障害のような高機能障害
・家族の課題は、言語的・感情的・身体的虐待への対処。
治療を受けるよう説得すること。
他の子供への影響。
自身と自尊心の喪失。
境界を設ける試みと失敗

 彼らは、要求を満たし、苦痛を避けるため、何重もの防衛機制を作り出します。
これは不安定なアイデンティティに繋がります。

 人前では、ボーダーの行動を見せない人を完璧に演じます。
自分をコントロールできると本当に信じているため、そのパーソナリティに従って行動するのです。
しかし人を永遠には騙せません。
もう一方のパーソナリティが刺激されると、コントロールは失われます。

*「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」ランディ・クリーガー
 〈監訳:遊佐安一郎〉(星和書店)より
http://seiwa-pb.co.jp/mt/mt-search.cgi?search=%E9%AB%98%E6%A9%9F%E8%83%BD&IncludeBlogs=3&limit=20

 

2つのタイプの比較してみると、攻撃性が強く、疾患を認めず援助も求めない、治療を受け始めてもすぐやめてしまう高機能型は本当に厄介だと言える。

○重複する特徴を持つBPD
多くのBPDの人は、低機能,高機能の両方の特徴を持っています。
配偶者や精神科医などには感情をあらわにしますが、家族以外の人には障害を持たない人として振る舞います。

oBPDを持つ個人のふたつの重複する分類
・対処技法
低機能:内に向かう行動化(acting in)
高機能:外に向かう行動化(acting out)
対人関係が拙いというより、無意識で、自分の苦痛を他者に投影して生ずる

・機能
低機能:自立した暮らし,仕事の継続などが困難
高機能:カリスマ的にさえ見えても、裏ではBPDの特徴を示している。
キャリアを積み成功していることもある

・援助を受ける意思
低機能:自傷や自殺傾向が理由で受ける。
セラピーに関心が高い
高機能:脅されるとセラピーを受けるかもしれないが、真剣に取り組んだり、長続きすることは稀

・併存するメンタルヘルスの問題
低機能:双極性障害や摂食障害など、医学的介入を必要とし、低機能の原因となる
高機能:物質使用障害,または別のパーソナリティ障害(特に自己愛性)

・家族への影響
低機能:親は極度の罪悪感を抱え、感情的に圧倒されている
高機能:家族は自分を責め、BPDの人の要求を満たそうとする。
対立点の多い離婚や親権争いが問題となる

*「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」ランディ・クリーガー
 〈監訳:遊佐安一郎〉(星和書店)より
 (引用文は翻訳がベースなせいか、あちこちに日本語的な問題があって読みづらい)
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 実際には混合タイプが多いとのことで、高機能型でも自傷行為、自殺企図が多い人もいるそうだ。
 高機能型の要素が強いほど、他人に症状を見せないので気付かれにくい。ネットで「ボダ」として話題になるのは、一見普通の人でありながら、ターゲットを定め、近付いてきて被害をもたらすこのタイプだろう。
 しかし、自分が知る複数の人は高機能型であったと思われるが、言動からいずれも「メンタルが普通ではない」ことにすぐに気付いた。当時BPDについて十分な知識があればBPDであると分かったであろうと思う。ターゲットにされていない第三者の立場でも注意深く観察していれば社会生活は営めているが言動やメンタルが普通の人と違っているとわかったであろう。
 だがそれも人によって違うのかも知れない。
 家族やパートナー等にとっては高機能型でも攻撃を受ける対象であるから症状は明らかである。しかし、何とか支援をしたいわけであるが、直接攻撃を受けるだけでなく、他人には普通に見えて家族やパートナーが理解されづらく(あるいはBPDによる対人操作の結果、家族やパートナー、支援者が他人から悪印象をもたれる)治療を受けたがらない高機能型故の問題に振り回され、難しさがより大きいように見える。
 低機能型から年齢と共に寛解(症状が弱くなり、診断基準を満たさなくなる)していくと一般に言われるのだが、寛解しているように見えているだけで実は高機能型に移行している人というのがいるのではないかと個人的には気になっている。
 患者本人も含め、同じようなことを思っている人はいるようだ。
 少なくともほっておけば寛解していくものではないと海外では解説されているようだ。
 高機能型について言及しているものが日本語のものはネット上には少ないようだが、高機能型を自称される方のブログなどを見ると、参考になる部分があるだろう。

逆境から立ち上がった臨床心理士

 また、翻訳を紹介しながら高機能型について詳しく解説をしているブログもある。ここの牧師さんが翻訳されている内容は他で紹介されていない内容で、読む価値がある。

妻が境界性パーソナリティ障害を持つのではないかと思い至っています。私はその夫でクリスチャンです。