amazon書評から

愛した人がBPD(=境界性パーソナリティ障害)だった場合のアドバイス―精神的にも法的にもあなたを守るために 単行本 – 2008/8/15

 この本は、BPDと別れるために役立つ本かもしれない。
 BPDに接する人へ向けられたアドバイスの書。
 その書評から引用。
ナデコシ

2012年6月18日

形式: 単行本|Amazonで購入

彼と別れて1年が経ちました。彼は境界性人格障害(BPD)の持ち主でした。一年を経てこのレビューを投稿する気持ちになりました。

恋愛の対象がもしBPD(境界性人格障害)だったら・・・。そのような方は、ぜひこの本をよく読んで客観的にご自身を見られるようにしてください。

そもそも BPDとの付き合いの悩みに対し本当に親身になって相談を聞いてアドバイスをくれる人が周りにいるでしょうか・・・。BPDの行動はあまりにも現実離れし、突飛なものだから 友人たちにはその次元を共有することは無理です。せいぜい同情程度で請け合ってもらえないですね。
BPDに悩まされるという立場になったことのある人でなければ、理解してもらえないのが現状です。

私はこの本の教示を理解しある程度それに従うことが、結果的に自分を本来の自分に戻し一般的な幸せ(普通の状態)に戻す術だったと思います。
この本に出会う前は私自身がBPDの彼に わけもわからず振り回されてきたからです。
こちらに非がなくても、うつろう彼の気分次第でいろいろなことが起こるのです。そのような行動を示唆し対処法をこの本では記述しています。

相手を、愛しているかも知れませんし信じたいかも知れません。そして、守ってあげられるのは自分しかいない、そう思うかもしれません。恋人なら当然そう思うはずですから。私もそうでした。

もし、この世に彼と私しかいなければ一緒にいると思います。でも、自分の親族や職場など今後の人生、多くの人々とまだまだかかわっていくなら・・・ そう思うと 彼と一生を共にすることは諦めるしかありませんでした。かといって彼を「愛していない」わけではないです。

皮肉なことにこの本に会わせてくれたのは、彼でした。(彼は私を助けたかったのでしょうか….)
図書館に彼が私を連れて行ったとき 偶然に手に取ったのがこの本でした。(その後 このアマゾンのサイトから購入をしました)
本の内容は、まるで彼の行動・言動の台本のようでした。BPDはすでに研究され、このように書籍となっていることに驚きましたし、BPDと向き合って悩んでいた私にとっては有難いことでした。

愛する人が境界性人格障害(BPD)だったなら。どうか自分を見失わずにこの本を携え、指針にしてみてください。

 BPDの人を支えてやっていくという選択肢に対して、離れるという選択肢も当然あるのだが、相手にとらわれてしまってなかなかそこに行き着けない人も多そうだ。
 あまりにも常識外れとしか言いようがないBPDの人とつき合う苦しさはなかなか理解してもらえない。
 そんな中で本書は一つの助けになるのかも知れない。

弁護士ドットコムの相談から

相談事例を引用。

これもかなり厳しい状況。

 

境界性人格障害の家内との離婚調停

家内とは結婚6年目ですが、普段はとてもよい関係にあるものの、些細なことで機嫌を損ねられ、何日も口を利いてくれなくなったり、実家に帰られたりしております。言い方がきついとか、そうでないというようなことでです。最近は、家内が掃除をしていて、その日はいっしょに出かける予定があったので、掃除が終わるのを待っていたのですが、一段落したように見えたので「あと、何かある?」と聞いた時、「トイレに行くって言ってんだろ!」とひどく苛ついた言い方をされたので、「そういう言い方、やめないか!」と言ったのですが、これが気に入らなかったようで、以後、口を利いてくれなくなりました。私を徹底して避けるようになり、「たった一言で、なんでそうなる?」と言っても、完全に無視するか、私をひどく非難するか、です。そのまま2週間以上になりますが、家内は離婚調停申し立てをしたようです。以前にも申し立てられたことがあり、その時は期日直前で取り下げてくれましたが、今回は取り下げてはくれないかもしれません。家内は、私が急に怒りだしたと言うでしょうし、私を避ける行為を「そういうの、やめなよ!」と言い続けたことも、「怒鳴り続けた」と言うと思います。冷静になって話をしようとすると徹底して言葉を遮られ、言いたいことをまったく言わせてもらえず、「ちょっと聞いてくれよ!」と語調を強くして言うと、これも怒鳴られたと言われます。出ていこうとするので腕を掴むと、「暴力を奮われた」と言われました。
メールでですが、精神科の先生に相談したところ、情緒不安定型境界性人格障害で間違いなさそうであり、本来は早急に治療が必要な状態ということでした。
家内とは一度も冷静な話し合いができず、話し合おうとしても言葉を遮られるか、完全に無視されるかのどちらかで、調停もやむを得ないと思っていますが、夫婦カウンセリングに通う、期間を決めていったん別居してみる、細かいルールづくりをするなどの提案はことごとく拒否され、拒否する理由さえ言わず・・・。以前には「何があっても我慢する。言葉を発するだけでなく、ムカついた表情を見せることもダメ」と無茶な要求をされましたが、元通りの仲のよい状態に早く戻りたく、しかたなく承諾しましたが、今は「約束を破った」と言われます。このような状態ですが、離婚を避けることは難しいでしょうか。
このケースでは些細なことからBPDの妻がたびたび離婚調停を申し立てるという。
・些細なことで機嫌を損ねる。
・口をきかなくなる。
・話し合いが成立しない。
・事実を曲げて被害を訴える。
・離婚調停を申し立てる。
常軌を逸しているが、BPDではありがちだ。
それでも相談者は元通りの仲のよい状態に戻りたく、離婚は避けたいのだという。
仲のよい状態がBPDが関係初期によく見せる一時的な理想像のようなものであるなら、それを恒常化することは困難かも知れない。それを追い求めても、苦しむだけかも知れない。
BPDのパートナーに問題があるケースについては、以下を参照すると良さそうだ。

境界性人格障害の被害に遭いやすい人

ここでは、自己愛性の高いパートナーがBPDのよい時を忘れられない場合の問題を指摘している。

NHK ハートネットの掲示板から

BPDは当人が生きづらい一方で、周囲の苦しみもまた激しい。

最近はネット上でBPD被害を訴えるものが目に付く一方で、BPDの家族がいかにして対応すればよいかを考える家族会も存在し、家族には救いになっているはずだ。

ただ、まだまだ周囲の人の苦しみを充分吸収できる状態ではないのかも知れない。

NHKハートネットの掲示板では、ちょっと古いが被害者の立場での番組での取りあげ方を訴えるものがあった。

BPD患者の周囲の人の事も知って欲しい
夫さん / 30代 / 夫
記事ID: 46187

私はBPDの妻を持つ夫です。
離婚を控えている身です。

こういった特集は当然ながら患者当事者の声が多く扱われるものだと思います。
ですが、その周囲に居る者の苦しみも是非知って頂きたい。

BPD患者の行動化症状は、BPDでは無い私達周囲の者にとって、とても理不尽で理解が出来ず、時には社会的影響も大きく、個人では抱えられぬ程の痛みをともないます。

虚偽によるストーカー通報などよくあるかと思います。
危うく前科が付く処であったり、社会的信用を失い、最悪の場合は裁判にまでなる方もいらっしゃいます。
私自身も妻の被害妄想により通報され連行されたことがあります。

そしてBPDは周辺の人間関係を引っ掻き回します。友人が一人、また一人と減って行きます。
言われの無い噂が広まっていたりもします。
二者関係でがちがちに固定され、気付けば逃げ場を失います。
拒絶すれば言葉や身体への暴力が待っている事もありますし、自傷行為に走られることなぞザラにあります。

そして極めつけは…例え妻が深刻なBPD患者であろうと、離婚の際は親権を持って行かれる…というシステムの危険性です。
これはもう個人ではどうにもなりません。
考えられますか。子供が犠牲になるのです。
でも私達は相談する場所が何処にも無く、行政の協力も仰げないのです。

このEテレの特集をただ「理解が得られにくく苦しくて可哀想なBPD患者」という視点だけで終わらせて欲しくはありません。
是非ともしっかりと、周辺の声も拾って下さい。

投稿日時:2015年09月01日 04時02分

https://www2.nhk.or.jp/heart-net/voice/bbs/commentlist.html/index.jsp?message=18706

深刻な問題で、BPDの相手に虚偽というか、妄想に基づいて通報されるようなことはそれなりにあるらしく、そうでなくても事実と異なることを告げられるなどで孤立させられ、社会的信用を失うようなことはよくあるようだ。

二者関係の中では暴力、暴言、自傷、自殺企図に悩まされ続ける。

理解と支援の中で症状を寛解させていくことが出来ればいいが、それもなかなか難しく、離婚の選択は当然検討される。

このケースでは離婚に伴い、父親とBPDの母親の間で親権争いが起こることが予想され、親権を母親側にとられることを危惧している。

多くの場合父親がフルタイムではたらいており育児が困難な上、休日も育児経験に乏しいため良好のな環境を提供しがたく、親権を母親に認めることが多いらしい。しかし、母親がBPDで子育てに問題があり、父親側に問題の無い環境を提供できることが示せれば、なんとかなるかもしれない。実際にはなかなか難しそうだ。

父親が親権を獲得できる条件について

「境界性人格障害 妻 離婚」の法律相談