遺伝的要因があり、生育環境によって発症すると言われているBPDだが、かつては治らないと言われていた。最近では治ると断言するものもよく見られる。BPDなど精神疾患に見られる海馬、扁桃体などの萎縮は回復可能とも言われる。
しかし、寛解するというのは社会的に適応でき、診断基準を満たさなくなることであって、本人の傾向が大きく変わることではないから、問題は残り続けるのではないかと言う印象を持っている。
このテーマについて家族会のログに次のようなものがあったので引用する。
BPDは寛解するのか?
家族にとってこの質問は大きなテーマであり、その答えに対する大きな期待と関心を持っています。
専門家の意見はまちまちなので当事者も家族も混乱します。
35歳・40歳を過ぎれば自然と「良くなる」とか「治る」という先生もいらっしゃいます。
現に家族会の顧問のBPDの専門家の先生の間でも意見が異なりますから
・・・(苦笑)
しかし、BPDに関わる専門で現役の先生の意見や最新の情報ではやはり、BPDは「自然」に治ることは非常に難しいということでした。
8年前にBPDと診断され、姉を診てくださっている
主治医にも3日前に確認してきました。
「医師によって、BPDは35歳、40歳を過ぎたら、寛解ではなく自然と治る(完治する)と聞きましたが、先生の見解を教えてくださいと尋ねてみました」
BPDを研究している主治医の答えは、
昔の見解は、BPDは35歳を過ぎれば「自然とよくなる」と言われてきたが、BPDはそう簡単に寛解することは難しく、ましてや、治らないことはないけど、そう簡単に治ることは
なお難しいということでした。
治るというのは、歳とともに激しい衝動性や攻撃性は
(落ち着いてくる)ものの、根本的な部分はそう簡単には治らない。現在も高齢者のBPDと診断されて受診している人は当病院にもいるとおっしゃっていました。
普通、30代、40代ぐらいになれば人として
まるくなると言われているけれど、そのような考え方は「一般化」し過ぎている。BPDにはあてはまらない。考え方の癖・行動の修正はそう簡単には変わるものはなく、ちゃんとした治療が必要であるということでした。
つまり、自然に治るという考え方は科学的な根拠が無いということでした。
また、仕事ができていれば「完治」といわれていますが、当家族会でご相談される多くの家族のお話では
仕事はちゃんと果たしているものの、家に帰ると
暴言・暴力(青あざや骨折させるほどの暴力行為)器物損害など
日常茶飯事となっている当事者もいます。
家で大暴れしているのに、仕事ができていれば「完治」していると
いうのは不自然さを感じます。
内容はまだ続くので、リンク先をご覧頂きたい。
対応の仕方を学び、寄り適切な行動をとれるようになることが望ましいのは間違いない。そのためには本人の努力が重要であるし、サポートなしにはなしえないだろう。
ともかくも、やはり自然に完治することは考えがたく、治療をしても対応がうまくなるだけで本質が大きく変わるものではないという印象が強い。完治はかなり難しそうだ。
同じページ内に引用されている研究の結論部分を引用する。
本研究結果から、境界性パーソナリティ障害患者における持続的な症状の寛解は、持続的な回復よりも著しく高い割合で認められ、境界性パーソナリティ障害患者における持続的な寛解と回復の達成・維持は、その他の形態のパーソナリティ障害を有する患者と比較して、著しく困難であることが示唆される。
BPDは寛解に達することは出来るが再発率が高く、回復状態を持続することは残念ながら難しいようだ。寛解していると言われていても、強いストレス等で症状が現れてしまうこともあるだろう。そんなときの対応を学んで行くしかないのだろう。
