境界性パーソナリティ障害と見分けがつきにくいと言われることがある、自己愛性パーソナリティ障害に少しだけ触れておく。
大きく2つのタイプがあるが、共通して
・自分は特別で優れていて、称賛されるべきという自己像をもつ。
・極めて傲慢。
・裏腹に傷つきやすい脆弱性を持ち、尊重されないと強い怒りをぶつけたり激しく落ち込む。
・共感性が低く、他人の立場に立ってものを考えることが出来ない。
という特徴を持つ。幼稚性があり、自己愛が未成熟なPDである。
ネットの記事を引用してみる。
自己愛性パーソナリティ障害の2つのタイプ
自己愛性パーソナリティ障害の人は「3つの自己」を持っているといわれています。
・誇大化させて形成された尊大で傲慢な自己
・自分は欠陥がある人間だというイメージを持った自己
・奥底に隠れている本当の自己
この「3つの自己」がどれか一方に偏っていると、「自分は特別な人間だ!」と思い込んだり、「自分は誰よりもダメな人間だ・・・」と思い込んだりしてしまいます。「3つの自己」の偏り具合によって表出する人物像が異なってきます。
根本にある自己愛の未成熟さや原因は共通ですが、その表出の仕方によって、自己愛性パーソナリティ障害は次の2つのタイプに分類されます。誇大的・自己顕示的で他者の反応に鈍感な「無自覚型」と他者の反応に敏感で注目されるのを避ける「過敏型」です。
◇周囲を気にしない「無自覚型」タイプ
このタイプの人は、自分はできる・自分は特別だと思い込み、社交的に振る舞いつつも他人のことには興味はなく自分の利益だけを考えています。このタイプの人が他者と親しく付き合うのは、自分に何かしらの利益があるからだと考えているためですが、自分の意向に沿わないときや責められると激怒することがあります。このような言動は本来の弱い自分を守るための防衛本能だといわれています。その他にも次のような特徴がみられます。
・わがまま・傲慢な態度をとる
・自分に夢中で他人のことは全く考えない
・注目の的でないと気に入らない
・他者に対する言葉づかいは常に攻撃的
・他者の反応を気にしない/怒りに表わすことで気にしないことにしている
・他者の気持ちを傷つけても平気
◇周囲を過剰に気にする「過敏型」タイプ
このタイプは身の丈に合わない理想化した自分自身を掲げますが、現実の自分との間にあるギャップに悩みます。他者からの評価に過敏ですぐに傷つきますが、自分には本当は才能があるという思いを持ち続けています。それゆえに自分自身を責めて落ち込んでいくサイクルが続きます。他にも次のような特徴がみられます。
・内気で恥ずかしがり屋
・自分の意見や感情を出さない
・傷つけられたと感じやすい
・注目の的になるのを避ける
・他者の反応に対して敏感に落ち込む
・他者からの評価を気にする
この障害がある人が自分を誇大化する理由は、本当の自分に自信が持てないなどの理由があります。本当の意味で自分自身を受け入れることができていない状態なのです。
実際には、2つに分けきれず、多様性があろう。
ICDの診断基準は以下になっている。
次のうち,5項目以上が存在すること.
(1)誇大な自尊心をもっていること(すなわり,業績や才能を実際よりも過大視し,相応の実績がないのに自分が優れていると認められているはずだと思う).
(2)際限のない成功・能力・才気・美貌,あるいは理想の恋愛について,非現実的な考えにふけること.
(3)自分は「特別」で比類がなく,他の特別な,あるいは地位の高い人々(または組織)だけが自分を理解でき,それらの人たちと付き合うべきだと信じている.
(4)称賛を必要以上に要求する.
(5)権利意識が強い.ありえないのに,自分に好都合な特別待遇を期待したり,または自分の要望がそのまま受け入れられることを期待する.
(6)自分の目的を達成するために他人を利用する.
(7)共感性の欠如.他人の感情や要求に気づいたり理解したりしようとしない.
(8)よく他人をねたむ,あるいは他人が自分をねたんでいると確信する.
(9)横柄で傲慢なふるまいや態度.
『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版 p494)
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これらにあてはまる人でも、そういう困った性格の人と扱われることがほとんどで、周囲は振り回されるものの、本人は特段生きづらさを感じていないことが多いという。そのため、障害として精神科を受診することも希だ。
生きて行く上での困難に直面し、二次障害としてのうつや自傷、不眠、などが現れることではじめてPDがあることが分かることが多いらしい。