親しくなろうとするBPDの行動

自分の知るBPD傾向が強かったと思われる複数の人はいずれも、理想化し自分が近づきたいと思った相手に、ちょっと過剰と思われるほどの親愛の情を示した。

ある一人は初対面でありながら異常なほど親しく接するのをみて、会って5分でこの人は何かがおかしいと思えたほどだった。

中にはいきなり体の関係を許容する人もいるらしい。

その内側では、寂しさを抱え、ひたすら親しくなりたいという欲求が渦巻いているという。それが衝動的に自分自身を解放して見せて近寄せようとしてしまうのだろう。特に理想化した対象に対して理想的な人として見せようと懸命に振る舞ったりする。

不幸な過去を伝えたり、誇張したり、嘘を交えたりもする。とにかく自分に強い関心を向けて欲しくて懸命になる。

その欲求表明自体には嘘はないのだろうが、それは突然裏切られる。

BPDの人にはその中に二極思考がある。全面的に支持して親しくなろうとするが、必ずと言っていいほどその後どこかのタイミングで全面否定に転ずる。そのきっかけ相手の問題のある行動だったり、取るに足りないような一言だったり、自分自身の妄想だったりする。

その結果、それまでの強い親愛を示す態度から突然、暴力や非難などの攻撃に豹変したりする。自傷を行ったりもする。

極端に両極に振れる感情、価値観。BPDの人を理解するためには、中心となる見捨てられ不安とならんでこの二極思考をよくとらえておく必要がある。

 

この二極思考は自分自身にも向けられ、自分を万能のように感じたかと思えば最低の人間だと落ち込んだりする。

他人にも自分にも不安定であり続ける。

そういう極端さがBPDだとこころえて対処せねばならない。