タワー公害

タワーマンションが都市の再開発の中で多く建てられるようになり、景観が一変している。

個人的にはタワーマンションは景観だけでなく、周囲に与える影響が大きい害悪だと思ってきたが、こんな記事を見かけた。

タワー公害

アーキネット代表・横浜国立大学先端科学高等研究院客員教授 織山和久

https://www.homes.co.jp/cont/press/opinion/opinion_00123/

くわしいことを記事を見て頂くこととして、
気候対応の面からみる外部不経済性
①輻射熱
②ゲリラ豪雨
③遮風
地震対応の面からみる外部不経済性
①スラム化
②火災旋風
社会的公平性の面からみる外部不経済性
①眺望の犠牲
②しわ寄せ
③富めるもの、ますます富む
等々があげられている。そうした外部不経済が東京で85兆円もあると言う。
タワーマンションは建てたあとの維持が困難になる可能性があり、何らかの対策をしない限り、スラムと化したタワーマンションが取り壊されることなく害を放ち続ける可能性が充分あると個人的には思っている。

以下、記事のまとめ部分を引用。

高層ビル群は、東京には向かない。モンスーン気候、地震多発地帯、公平な社会といった都市環境では、高層ビルの外部不経済が著しく大きい。

モデル棟について外部不経済の金額を合計すると、輻射熱7.1億円、ゲリラ豪雨6.1億円、遮風13.2億円、スラム化34億円、圧迫感24億円と、ここまでで合計84.4億円に達する(火災旋風の被害想定分は除く)。これに、他にしわ寄せして生まれた資産差益431億円を単純に合計すると、総額515億円、一戸当たり約36百万円にも上る。これをおおまかに1,620棟分でかけると約85兆円、これ位の桁数の金額が、タワー公害による社会的損失の規模に相当する。東京直下型地震のよる被害想定は、直接被害66.6兆円、間接被害(交通寸断による機会損失・時間損失)6.2兆円、間接被害(生産額低下)39.0兆円の総計112兆円、タワー公害の社会的損失額はこれにも匹敵している。

こうした外部不経済に着目した議論に対し、「東京は土地が狭いから高層化しないと、国際的な都市間競争に負ける」といった考え方が今は主流である。しかし、先回(HOME’S PRESS記事「東京のかたち」)も触れたように、東京は、いまの容積率規制のまま、都心から10km圏に絞って中低層の街並みにしてもいまの東京の都市規模は十分に賄える。高層化しなければ、というのは単なる思い込みか、我田引水か、であろう。

約85兆円ものタワー公害を、もうこれ以上蔓延させないために、速やかに高層化促進諸制度を廃止していくべきではなかろうか?

精神科医選び

カウンセリングマインドのない精神科医への不満は、よくネット上でも見るし、聞きもする。心の問題を抱える兄弟に精神科受診を勧めたが、ほとんど何も聞いてもらえないままに軽いうつ病だと診断され抗うつ薬を処方されたと憤っていた知り合いもいる。

カウンセリングを受けたくとも、保険診療なら精神科医の見立てを介さなければならないが、当たった精神科医の判断に大きく左右される。

身体に関することであればほとんどの場合、他覚的知見が得られる。血液検査、画像診断等で問題を客観的にとらえることが出来る(とらえ切れていない、そもそもとらえるベースとなる知見がないこともあるが)。しかし、精神医学領域の場合、外傷以外は目に見えない。いくらかの検査はあるが、精神科医の観察によるところが大きい。診断に時間がかかることが多く、判断のブレもかなりある。

病名も診断基準もコロコロ変わる。患者の症状も時代環境によって変わる。確かなものがなさ過ぎる。

治療ともなれば、治療者との関係が良好でなければどうにもならない。

医者選びは大切だ。特に精神科は人間性、力量、相性でよい医師を探さないとうまく行かないかも知れない。

こんな記事もあった。

“持論”を押し付けてくる精神科医は要注意

信頼できる精神科医の3条件とは

http://president.jp/articles/-/24440

 

プレジデントの記事であるのがちょっと嫌だが、参考にはなるだろう。

ここで困った精神科医として出てくる

タイプ1:すべて脳に問題があるとする医師。特徴は内科的で切れ味がいい。しかし、心理的・環境的要因はほとんど考慮しません。「器質論者」とも言います。治療は薬物一辺倒になりがちです。

が、若手を中心に多いように聞くことがある。医学部のカリキュラムではほとんど精神分析を扱わないため、精神科医自身はDSMに沿った診断と投薬治療、それに当てはまらないものは心療内科及びカウンセリングに回す、という運用が病院では行われているとも。

 

(この投稿は、大幅に文章を削って加筆し、再投稿しました)