対象恒常性

先日の知恵袋の回答を見直して、なるほどと思うところをもう一度見てみる。

BPDは24時間365日自分を充す対象がいないと幼児期に起こった見捨てられ不安が起こり、気がおかしくなってしまう為です。そして、現実にその場にいる人からでないと、愛情を感じる事が出来ないのです。これは、対象恒常性という自分の中で自分を支える誰かのイメージの構築に失敗しているからです。(小さい時は大体お母さん)BPDは自分が愛されているという事をどうしても実感出来ないのです。

対象恒常性という言葉が出てきた。

これについては他のサイトから引用してみる。

対象恒常性・誠実さ、一貫性、信頼、不安の耐性の土台

 

対象恒常性とは、「ある対象が目の前から消えても、その対象自体はなくなっていない」という感覚です。

生後9ヶ月くらいの赤ちゃんに「いないいないばあ」をすると喜びます。これは対象恒常性が獲得されつつある時期だからです。
「ほら、お母さんはそこにいるでしょ、隠れててもいるでしょ、ほら、いた!!」と「いないいないばあ」をするお母さんに向かって思っているのです。

お母さんの姿が視界から見えなくなると、火がついたように泣きだす赤ちゃんは、「本当にお母さんが世界からいなくなってしまった!!」と思って泣いています。ですから、お母さんの姿がまた視界に入ると安心して泣きやみます。

成長するにつれて「お母さんが目の前にいなくなっても、お母さんの存在自体は消えてなくならない」、そして「今目の前のお母さんは怒っていても、お母さんの愛情自体はなくなってはいない」を学習していきます。

これが母親以外の対象や出来事にも応用されていきます。「先生に叱られても、自分の存在全体を否定されたわけではない」「この人は嫌な人だけれど、全ての人が嫌な人ではない」「今嫌な事が起きていても、世界全体が悪くなるわけではない」など。

対象恒常性は困難を克服するための、足元を固める地盤とも言えるでしょう。つまり打たれ強さです。

この対象恒常性の獲得が、「世界に対する無条件の信頼」「一貫性」「誠実さ」の土台となります。

大事な友人が今この場にいない時、ある人がその友人の悪口を言ってもそれに同調しない、或いはその友人のプライベートを詮索されても答えない、こうした態度も「今ここにその友人はいないが、ずっと存在している」という対象恒常性があればこそです。この態度を一貫して取れる人が「信頼の厚い人」になります。
すぐにばれるような嘘を、保身や虚栄心やこびへつらいのためについたりしないのも同じことです。

対象恒常性の獲得が不十分だと、「常に足元がグラグラしている」「雨雲の向こうに青空があるとは思えない」という漠然とした不安感にさいなまれてしまいます。

この不安感が、しがみつき、依存、支配、執着、かまってほしい、かまわせてほしいに転じていくことがあります。

 

なるほど、みごとにBPDの心を説明できているように思う。

傍にいてくれないと対象に対して一貫した信頼をもてないので、会えないと常に対象に不安を抱き、愛情を感じることが出来ない。依存、執着その他に繋がっていく。

自分の経験で、相手が会えないことから不安を募らせ、不安定化していったということがあったが、まさにそういうことだったのかと思う。