解離性障害が強いのかも知れない

私が悩まされ、強いショックを受けさせられた相手は、その心性と言動からBPDである可能性を強く感じてきた。

ただ、実際に対面する時間が短く、その特徴である見放され不安で感情爆発して直接暴言や暴力を受けるような場面には出くわさなかったので、行動化をおさえている状態(≒寛解?)であったようにも思える。その代わり、別の手段(攻撃性)で激しい感情を処理しているようなので、本質的にはBPDの心性は持ち続けているのだろう。

典型的なBPDのありようが全てに当てはまるわけではなく、個別の事情がかさなっているから多様性があるはずだ。

彼女の場合は、軽度の人格交代の様なものが頻繁にみられた。軽度というのは、完全に別人格に替わる解離性同一性障害(DID)ではなく、別の性格や特徴に替わってしまうスイッチングが起こる特定不能の解離性障害であろうと思われることだ。

記憶はほぼ繋がっているようだが、曖昧な場合もある。スイッチングしたときに話が繋がっていない様子が見えることがあるし、本人もやや記憶の断絶を感じているらしいこともある。

過去の記憶が曖昧だったり現実にベールがかぶった状態であったり、記憶から感情が解離していたりしているらしい。半年前の写真を見て、何故こんなことをしているのかを覚えていないといったり、夜にやっていたことを朝になってなんでそんなことをしてしまったのだろうと悩んでみたり。本人の性格傾向が変わってしまうようなことが頻繁にあるようだ。

暴言を吐く人格が突如出ては引っ込んでみたりするが、これなどは傍観している別人格が飛び出てくる感じだ。本人が了解尽くだったことを非難するようなことを言うので、記憶が完全に繋がっていないのかも知れない。

そして豹変前後で言動だけでなく使う言葉や認識も変わったので、私に対応する人格が変わったのではないかとも思えた。豹変後も含め、矛盾した言動がしばしばみられたのもスイッチングによるものだったのかも知れない。

スイッチングする人格は少なくとも4パターンぐらいはあるようだった。顔つきも変わり、写真を他人に見せると同一人物に思えないと言われた。

・基本人格。普段の対人対応をしている、声が低く男勝りの人格。かつての彼女に近い。

・可愛い人格。声が高く、親しい友人やパートナーと接するときの、女性として理想化されたような人格。

・憤怒の人格。激しい怒りを担当する。普段は傍観して時折介入して怒りをぶちまける。基本人格と認識や記憶がやや不一致の様子。

・不明な人格。基本人格と性格も記憶も完全には一致せず、豹変後に現れた人格。

基本人格と可愛い人格はミックスした状態になりやすいようだった。口調と声質は可愛い人格なのに顔つきが基本人格ということもあった。

写真で見ると、上記とは別の顔つきに見えるものがあり、シチュエーションも違うので更に別の人格があるのかもしれない

一人の人と言うにはあまりに落差が大きいが、人格交代と言うには表面的すぎるのでどう考えたらいいのかわからずにいた。完全に別人格になるわけではない特定不能の解離性障害が解離性障害の多くを占めることを考えると、そう考えるのがもっともしっくり来るのだ。この障害についてかかれたものが少なくわかりにくいが、以下が参考になる。

https://susumu-akashi.com/2018/07/switching/

 

BPDの診断基準に「重篤な解離性の症状」が含まれるが、併存とされる場合もある。その境はどこにあるのだろう。