自己愛性パーソナリティ障害

自己愛性パーソナリティ障害の症状
人より優れていると信じている
権力、成功、自己の魅力について空想を巡らす
業績や才能を誇張する
絶え間ない賛美と称賛を期待する
自分は特別であると信じており、その信念に従って行動する
人の感情や感覚を認識しそこなう
人が自分のアイデアや計画に従うことを期待する
人を利用する
劣っていると感じた人々に高慢な態度をとる
嫉妬されていると思い込む
他人を嫉妬する
多くの人間関係においてトラブルが見られる
非現実的な目標を定める
容易に傷つき、拒否されたと感じる
脆く崩れやすい自尊心を抱えている
感傷的にならず、冷淡な人物であるように見える
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 自己愛性パーソナリティ障害の人は、本当に対応が難しい。
 高校生でその可能性の高いものをみたことがあるが、周囲を暴力で従え、何かと自己の属性を他人の口を通じて誇り、僅かでも自分が尊重されていないと感じると激高するのだった。そのため、周囲から腫れ物に触るような対応をされており、横暴に振る舞い続けていた。
 教師に認められないと言うことは天地がひっくり返るほどの大事件であるらしく、横暴な行いを咎められ、人を尊重しない振る舞いは将来社会で相手にされなくなりうることを示唆されると机を倒し、激高して詰め寄り、その後の定期テストでは一切回答せず0点を取った。
 そこまでしてでも自己の存在を最大に尊重されずにはおれない。

 自分を認められたい自己愛性パーソナリティ障害と、自分の穴を埋めて欲しい境界性パーソナリティ障害は引き合ってしまうが故に最悪の組み合わせになる。
 境界性パーソナリティ障害は初期に相手を理想化し、褒め称え、尽くす行動を取る。これが自己愛性パーソナリティの自己愛を大いに満たす。しかしそれは長続きせず、こき降ろしと暴力的な対応に転換するので破綻する。このカップルのうち自己愛性パーソナリティ障害のものが初期状態への回帰を望み執着してカウンセラーに相談をするようなケースもよくあるらしい。

 境界性パーソナリティ障害らしい相手に執着してしまう人は、自分が共依存に陥っていないかだけでなく、自己愛を満たすために初期の虚像に執着していないかをチェックする必要があるように思われる。

 愛するというのは、多分に自己愛を満たそうとする自己陶酔行為であることがある。相手を尊重できなければ単なる自己愛と言っていいかもしれない。自己愛性パーソナリティ障害と境界性パーソナリティ障害は共に他人を自分のために利用しようとする傾向が強く、自分の最大の尊重を求めながら相手を尊重することが非常に難しいパーソナリティの持ち主と言える。互いに尊重しあえる人間関係の構築は極めて困難と言える。
 トラブルメイカーであり、出来るだけ避けたい相手と言えるが、医師、看護婦、教師、同僚や上司など職業柄対応を得ざるを得ない人達は、難しい対応を迫られる。
 もしそういう人を愛してしまったのであれば、自分が何故その人を愛したのか、どんな部分に引かれているのかをなるべく冷静に分析すべきである(が、それが難しいのが恋愛による執着なのであるが)。そこには共依存や自己愛の問題が隠れていそうだ。