自分の状態とBPDに対する今の考え

BPD、解離性障害の疑いがある女性に振り回され、苦しい思いをし、縁が切れてから丸1年が過ぎた。

今思うと、なぜあれほど彼女にとらわれたのかよく分からないぐらい、とらえ方が変わっている。

自分の諸事情が関与した部分があるし、彼女とは20年以上前の関係が関わっているという事情もある。あの時に周囲に阻まれて十分な援助を出来なかったためにここまで病ませてしまったという悔しさもあった。しかし、BPDにありがちな不幸話を使った誘惑があったのも間違いない。

心の動きが常人と明らかに違ってブツ切れで、口調や声の変化を伴い、人格交代に近いものを感じることもたびたびで、解離性同一性障害に近い特定不能の解離性障害を疑わせた。

過去の記憶が曖昧で、10時間近く寝て、いつも眠い過眠状態。ときどきごく短時間だが意識を失うような状態になるともいっていた。

取るに足らないようなことで店員に激高することが何度もあったらしく、これもBPDにありがちなことでもある。

極めて関係性が良好になったと思えたある頃から精神的に不安定になり、何の説明もなく突然全く違う態度、言動になり、接触を避けるようになった。

この唐突な変化は20数年前にも起こっていた。その時は周囲に異常な人が多く、彼らにのせられる形ではあったが、突然感情が反転し、身に覚えのないすさまじい憎しみをぶつけて来て接触を断たれたことは理解を超えていた。その後何年も憎しみ続けていたようだ。

20数年後の彼女は、私に恋愛感情を持っていたことも、その後の憎しみのことも覚えていなかったらしい。ただ、再会したときには当時の子供っぽい恋愛感情を再生するような言動だった。この言動はこの時だけで、その後は全く違う言動に切り替わっていた。

学生時代の彼女はすでに教育虐待による問題を抱えていることが明らかな状態で、すでにBPDの芽はあったように思う。その後の彼女は共依存状態をつくって親の反対を振り切って子供を作って結婚し、早晩別居、すぐ別な子持ち男性と共依存の同棲生活にはいり、また別れている。また、学生時代から感情の伴わない性的関係を数多く結んでいたらしい。

彼女は私に何を求めていたのだろう。BPDの人は自分が抱える穴を埋めてくれる相手を欲し続ける。その穴は大概埋まることがなく、何とか埋めたいと相手を変え続けようとすることもよくある。

心を満たしたい、体を満たしたい、彼女の場合はその一方でそれに対する強烈な禁忌を発動させたりもする。何もかもが一貫しない。本人も何がなんだか分からないバラバラな状態であるように感じた。

自分に課せられた禁忌を、全て他人のせいにして自分が望んだことではないという建前で実行してしまうという狡猾さも。

異常に精神性が幼く、会話をしても対話が成り立たない。自己の間違いを認めず誤魔化し、事実の方を曲げてしまう。

特定の人と真に親密な関係を築けない、内面がいくつもの要素を統合できずバラバラで不安定、過去も現在も霧がかかったように不明瞭で、常に不安と不満を抱えている。そんなように見えた。

彼女を虐待していた彼女の母親も明らかに病的で、遺伝的要素も疑われる。ただ、彼女には虐待を受けていたという自覚が乏しく、かつて強く反発していた時代があったことと今ひとつ重ならない。精神医療では親の受容を求めることが多いので、様々な理由付けをして仕方が無いことなんだと受け入れているように見えた。だが、その一方であきらかな反感、憎しみも併せ持っているように見え、受容しているのではなく、感情を押しつぶしているだけで、虐待の延長線上でしかないように見えた。

それと関連するのが、記憶の忘却と記憶の操作で、自己を縛る禁忌に触れること、都合の悪いこと、認めたくないことは古いことから新しいことまで忘却したり、記憶を書き換えたりもする。当然言動は矛盾だらけになるが、自分で解決がつかないのでその解決として思考停止して乗り切るようだ。

精神医学の専門知識があり、自己の病識もあるようだが、それを正面から認めずに生きているらしい。

 

こう言う人が、ごく普通の心の動きをもてるようになるようにはおもいがたい。精神医療は寛解を目指すものであるから、社会生活を営める程度にうまくやれるようになればいいことになる。しかし、BPDは特定の相手との間に問題を起こすものであって、高機能型なら社会生活は問題なく出来てしまうことも多い。しかも病識は薄く、自分から精神科の門を叩くことも希だ。

治療を受けることなく問題を起こし続けやすいし、治療を受けても、認知行動療法で本質が変わるわけでもない。

彼らの恋愛行動様なものは、自分にはとても恋愛感情によるものとはとらえられない。彼らに恋愛感情を持っても、相手から普通の愛情を向けてもらえるようになるとも思えない。彼らはもっと別な、かつて親子間で得ることができなかった未熟な感情にとらわれ続けているように見えるのだ。あまりにも未成熟な彼らと、成熟した相手を尊重し合う関係を築くことは相当困難に思える。

 

彼らを愛するというのは、無償の愛を与え続けることになるのだろう。執着をされても愛情は得られない、そんな関係になるのが限界である気がする。

彼らにとらわれのは、一時期見せる彼らの理想的な姿が取り戻せると思ってしまうためだろう。だが、それはおそらく困難だ。彼らの精神性は執着、依存、理想化などに基づいた特殊なもので、普通の恋愛感情があるかどうかもあやしい。理想に見えた姿は、彼らが懸命に見せている虚像だと思った方がいい。いくら懸命であったとしても、相手に合わせて作りだしたものであるから、それを求め続けるのは無理がある。

 

追記:
 極めて関係が良好になったと感じられた後、精神的な不安定さが現れたと思ったら、次には態度が激変したのだが、激変については私がLINEした一言が【見捨てられ不安】を引き起こした可能性がある。これをきっかけに二極思考で負の感情が支配するようになったのではないか。あの一言が悔やまれる。
 しかし、それも時間の問題で、あの時の一言がなくても、他のきっかけで同じことが起きたように思われる。