BPDは自然には治らない

BPDは脳のレベルで問題があることが分かっている。遺伝的素因があり、生育歴の影響が大きいこともわかっている。

そして、高齢の患者もいる。

日本語の多くのサイトで40才頃から症状が治まってくると書かれているが、ほっておいて治るものとは思われない。本人が人生経験を積み認知の歪みを自分で修正していくことが出来れば症状は軽くなるかも知れないが、多くは病識すらないらしい。

以前も引用した牧師さんのサイトで、次のように纏められている。

今まで英語のサイトを見て境界性パーソナリティ障害について学んできたことと、この医師が語ることは一致しています。境界性パーソナリティ障害が治療なしで自然に治るものではないこと、早期発見、早期治療が回復に有効であること、病気を治したいという患者の意思が重要であることなどです。これは心の病気を理解する上で基本中の基本だと思うのですが、境界性パーソナリティ障害という病気を『40代で安定する』『年齢とともに良くなる』と解説するサイトが非常に多いのです。また、40歳安定説が、どれだけ世間に浸透しているかもお分かりいただけたと思います。

また『結婚すると落ち着く、家庭を持つと落ち着く』という新たな誤解も出回っているようです。このような解説を、英語のサイトで見たことがありません。どの論文に書いてあるのか教えていただきたいものです。こうした誤った情報が次から次へと出てくるのは、治療者個人の問題というより、日本の医療教育に根本的な問題があるとしか思えません。
https://blog.goo.ne.jp/true-vine/e/1819d292578eeb31923d8a0eeec1d5da

医療側の問題はさておき、BPDはほっておいて治るものではない。本人が自らの問題を認識し、治療に意欲を持たない限り、たとえ症状が治まったように見えても問題を内包したままだろう。いくら外面のよい高機能型でも問題の多い内面を隠しているに過ぎない。

治療を受けようとせず、問題から目をそむけ、逃げ続けるBPDと接し続けるのは相当に厳しい。

誤魔化すことでは何も解決しない。自分の現状を認識すること。

全てはそれからだ。

 

危険水域

ここしばらく、理解不能なBPDの内側について、いろいろなものを見ながら考察してきた。ここに書いていないいろいろなことを考えてきた。

高機能BPDなのかもしれないが典型的ではない人に振り回され、突然理由がわからぬまま理不尽に深く心を傷つけられ、本人は結局辻褄の合わぬ言いつくろいを重ねただけで、まともに答えようとせず逃げるだけだった。つきあいのある間、ずっとアンビバレントにゆれ続け、矛盾した言動を重ねていたから、何が彼女にとっての本当なのかもわからない。

それでも何故そんなことになったのかの答えを探してきた。

しかし、ちょっと危険水域に達してきた感がある。

彼らの心の内を理解しようとするあまり、自分の感覚がBPDの人のそれに近付いてしまっている。不安、悲しみ、空しさ、怒り、そう言うものに覆われはじめている。

メンタルヘルスが昨年末の事件以降悪化していて、さらにこれだとさすがにリスクが高い。これ以上は危険。

いったん退散したい。BPDについて考えるのはしばらくやめておくことにしたい。

 

求めているのは?

紫波さんというBPDの方のツイート。

最近相方さんの事を徹底的に調べなくなった。
行動や交友関係、多少知らなくても物凄い怒りは湧いてこなくなった。ボーダーの私。相方さんへの執着が無くなっていくという事は…?好きじゃなくなったか?、ボーダーが少し治まってきてるのか?
https://twitter.com/a4ki30/status/1002881830926741504

そうだった。

相手のことを徹底的に調べたがる。FBを隅から隅まで見て、ほかに女はいないかとか調べる。投稿した写真を徹底的に細かなところまで見る。女がいる証拠を探し続ける。

そして、疑う。
自分は本当は相手にされていないと思い込む。
言葉は信じない。やがて自分から相手を拒絶しはじめる。

極端すぎる。

全ては「不安だから」。

それが収まってきているのなら、好きでなくなったか、認知が改善されてきているか。

親愛、愛情を求め続けるのがBPD。確かな絶対的な愛情を求め、絶望し続ける。

極端なことを言えば、相手は誰でもいいのだろう。
彼らの「好き」は本当の好きなのだろうか。

相手はBPDの心の中では関心の対象のはずなのに、いつもカヤの外に置かれている。自分の中で一人相撲を続けているように見える。

同じ方の少し前のツイート。

例え相方さんと別れても、必ず誰か見つけて依存する。

生きている事自体が悪なんだ。
https://twitter.com/a4ki30/status/1000887065922289664

やっぱり、相手ではなく、愛情そのものを求めているように思える。

扁桃体の過剰興奮による不安昂進、前頭連合野による抑制不十分による感情の暴走。オキシトシン不足故の愛情や信頼の不足。

いつまで経っても満たされることなく、不安であり続ける。

 

BPDは遺伝的な基盤に環境要因が重なって発症すると考えられている。今、治療法として推奨されているのは弁証法的行動療法

「患者は弁証法的行動療法を行うことにより、能力や生きることへのモチベーションを高め、獲得したスキルを日常で普遍的に扱うことができるようになるとされる。」

 

少しでも確かなものを感じられるようになるといいのだが。

しかし、病識を持ち、自分を見つめ直そうと思えることが大前提。