共依存という概念について。
両親などから何らかの虐待を受けて育った人に共依存という関係を作ることがよく見られる。
子は無条件に親に依存するが、虐待親は子を見捨てると脅しながら思うように操り支配する。そうして育った子は愛情を知らず、依存ー支配関係しか知らないため、対等、相手を尊重する人間関係を作れない。その結果、自らが受けてきた依存と支配の関係と同様に他人を自分に依存させることで支配する関係、すなわち共依存の関係を作るのである。
しかし、依存させることで自らの存在価値を確認しているのであり、その関係は発展性がなく、相手の独立を阻んででも共依存の関係を維持しようとする。当然破綻しやすく、しないまでも相手の未来を奪ったり、相手や自らを苦しめる結果になりやすい。
たとえば、売れないミュージシャン志望の男性をかいがいしく世話をする女性は共依存者で、男性が真っ当に働こうとしたり、何らかの成功を収めたりすると自分の存在価値が否定されるのでそれを阻もうとする。
ギャンブルにはまる男性、暴力を振るう男性に「どうしようもないこの人には、私がいなくては駄目なの」と耐えて世話をし続ける女性も共依存者である。相手を世話し続けることで自分の存在価値を認めさせて依存させているのである。
「人を世話・介護することへの依存」「愛情という名の支配」共依存者は、相手から依存されることに無意識のうちに自己の存在価値を見出し、そして相手をコントロールし自分の望む行動を取らせることで、自身の心の平安を保とうとする。
「ある人間関係に囚われ、逃れられない状態にある者」としての定義が受け入れられている。
Wikipedia 共依存より抜粋
精神医学の概念ではなく、看護現場で生まれた概念で、アルコール依存症患者との関係に束縛された結果、人生を歪められてしまった家族の特徴を説明するために用いられた。そこからより広く用いられるようになっている。
共依存者には以下の特徴が見られる。
- 他人の面倒を見たがる(強迫的世話焼き)
- 自己の価値を低く見る
- 抑圧的である
- 強迫観念にとらわれやすい
- 相手をコントロールしたがる
- 現実を直視できない
- 何かに依存せずにはいられない
- コミュニケーション能力に乏しい
- 他人との境界があいまいである
- 信頼感を喪失している
- 怒りの感情が正常に働かない
- セックスが楽しめない
- 行動が両極端である
メロディ・ビーティ 『共依存症いつも他人に振りまわされる人たち』 講談社、1999年4月。ISBN 4062690675
Wikipedia 共依存より抜粋
(上についてはこちらを見ると参考になる)
虐待を受けて育ち、共依存相手と結婚をし、ほどなく破綻したある知り合いには、見事なほどにこれらの多くが当てはまる。
こうした人は親の共依存・支配から脱することに失敗し、やがて支配を受け入れ、親が死ぬまで支配され続けることすらあるらしい。
また、共依存出来る相手を求め続け、破綻をしては求めることを繰り返しやすいらしい。
その結果、生きづらく、幸せになることが非常に困難な一生を送りやすいようだ。
なんとも哀れだ。
親は子供を独立させるために存在するというのに、虐待し、思うままに支配し、独立を阻み、子供を依存させ続ける。親の子離れ問題でもある。